リアホイールを組むときに、リムやハブの寸法がどのように
左右のスポークテンション差に影響しているのでしょうか。
なるべくスポークテンションの差を縮められるような部材を
使用したいものです。
まず、リムのERDを変えてみましょう。
リム高を高くしてもあんまり変わりませんねぇ。
スポークテンションの差を埋める、ということだけで言えば、
ディープリムにすることは効果なしです。
あとERD400mmのホイールなんてないですね。やりすぎました。
次に、ハブのPCDを変えてみましょう。
これまたほぼ変化なしですね。
ラージフランジはスポークテンションの差を埋められません。
では、ハブのフランジ-センター間の距離を変えてみましょう。
右側はどんなハブでもほぼ同じなので、左側だけ変えてみることにします。
うぉ~っ!大きく変わりましたね。あたりまえです。
うぉ~言うてる場合じゃないです。
左右のスポークテンションは左右のフランジ-センター間の距離に
ほぼ比例するので、左のフランジ-センター間の距離が小さいほど
左右のスポークテンション差が小さくなるのは当然です。
じゃあ、なるべくフランジ幅の狭い、極端に言えばフランジ幅が
左右均等に近いハブを使えば誰もが幸せになれるのでしょうか?
ところがそうでもないのです。
なぜかというと、フランジ幅が狭いと横剛性が著しく低くなるからです
(詳しくは後日…)。
フランジ幅が狭いハブは、真っ直ぐな平地を坦々と漕いでいくような
競技(例えばTTやらトライアスロンやら)なら横剛性はいらんと
割り切った上で、他のファクターを活かす方向で使えばいいのですが、
オールマイティーな使い方には向かないと思います。
スポークの組み方を左右で変えてみたらどうなるでしょうか。
お~っ結構変化しますね。
これは、組み方によってスポーク長が違うからです。
以前、Fl=Fr×Hr/Hl×Ll/Lr
(F:スポークテンション H:フランジ-センター間 L:スポーク長)
で反フリー側のスポークテンションが求められると書きましたが、
Ll/Lrに注目してください。
反フリー側のスポーク長が長くなるほど、
またはフリー側のスポーク長が短くなるほど、
反フリー側のテンションが高くなる、ということです。
ラジアル組み→8本組みと組み方を変えるとスポーク長が長くなるので
テンションが上がるんですね。
ただ、フリー側ラジアル組みはちょっとどうかと…
2本組みも現実的ではないので、フリー側4本組み反フリー側6本組みか、
フリー側4本組み反フリー側8本組みが現実的なところでしょうか。
いずれにしても、フリー側と反フリー側のスポーク数が同じなら、
スポークテンションの差を縮めようとしても限界がありますね~。
スポーク数が同じなら… 同じなら…
ということは、スポーク数が同じではなければ…ごにょごにょごにょ…