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パーツクリーナーの使い方

自転車の修理

あれは月がきれいな夏の夜でした。

帰宅した私は、自宅前の道路脇に小さな黒い影を見つけました。

「うおっ!」

小さな声が出ると共に少し嫌な予感がしました。

しかしそれが何かを確かめずに放っておくわけにもいきません。

大惨事を招く可能性があります。

意を決してちょっと近付き、よーく目を凝らして確認してみました。

Gでした。やっぱりGでした。私の嫌いなGでした。

月明かりに照らされて長い触角だけがヘロヘロ動いています。

え?Gって何?いやわかるでしょ。

あー口にするのもおぞましい。文字にするのも忌まわしい。

ゴキブリです。書いちゃいました。ああ忌まわしい。

でそのGですが、見て見ぬ振りをしてほっといて、

どっか行ってくれたらいいのですが、

もし我が家に乱入されたら困ります。

大惨事です。悲劇が待っています。

なんとか退治しないといけません。

そのとき、ふと思い出しました。

G退治にはパーツクリーナーが効果覿面である、といううわさを。

都合のいいことに、パーツクリーナーの細長い缶が足元に転がっています。

「よーし!」

パーツクリーナーを手に取り、1歩近付き、

Gめがけてパーツクリーナーを噴射しました。

「ブシュー」

ほんの少しGはバタバタしたように見えたのですが、すぐに動かなくなりました。

すごい効果です。即死です。そこらへんの殺虫剤より即効性があります。

殺虫剤の何が嫌て吹きかけてから動かなくなるまでちょっと時間がかかるでしょ。

あれが嫌なんですよ。

ジタバタ逃げられて隙間に入り込まれようもんならお手上げです。

安否確認が大変です。そのままほったらかしにもできません。

吹きかけたあとベタベタになるし。

パーツクリーナーすごい!と思ったのもつかの間、ちょっと待てよと。

もしかしてこれ、動かなくなっているだけなのではないだろうかと。

しばらくしたらまた動き出すのではないだろうかと。ゾンビみたいに。

そう思ったわけですよ。

大惨事を引き起こす可能性があります。

それはあかん。

ひらめきました。

G燃やしたれ。

パーツクリーナーは可燃性の液体ですので

パーツクリーナーまみれになっているGはよく燃えるはずです。

幸いGは道路端のコンクリートの上です(室内では危険です)。

ライターを点火し、炎をそっとGに近付けました。

「ポッ」

青い炎を出してGが燃え上がります。

白い月光の中に浮かび上がる青い炎。

安堵。

Gが最後まで燃え尽きたのを確認してその場を後にしました。

 

また別の日。

朝、店に着いた私は流し台の中でヘロヘロ触覚を動かす黒い物体を発見しました。

「うへぇ」

近付いて確認する必要もなく、Gです。紛うことなきGです。

よし、これはパーツクリーナーの出番かな、と思ったのですが、

ちょっと待ってください。

以前、パーツクリーナーを使えば一瞬で動きを止められることは確認できました。

しか~し!完全に息の根が止まっているのか、

はたまたゾンビのように復活するのか確認できていません。

なんせ燃やしてしまいましたから。

また同じように、パーツクリーナーを噴射して動きを止めておいてから

燃やしてしまえば確実なのですが、今回は流し台の中です。

火事になる心配はなさそうですが、

流しが汚れたり跡が残ったりするとだいぶ嫌です。

Gの焼け跡をごしごし擦って流し台をきれいにしている自分を

想像すると泣けてきます。

それはあかん。

ひらめきました。

火炎放射やと。

パーツクリーナーまみれにしてから火をつけるからいかんのであって、

直接炎であぶったら、きれいなまま息の根を止めてくれるのではないかと。

いやGですから汚いのですけどね。

昔、何かのスプレー、オイルスプレーかなんかやったと思うのですが、

左手に持ったライターを点火し、その炎に向けて噴射したら、

「ブオー」

って感じでライターから先50cmぐらいまで黄色い炎が伸びたような

記憶があります。

これやと。

パーツクリーナーは可燃性の液体ですし、

さらに噴射剤として可燃性のLPGが使われています。

これは強力です。

いざ、Gに狙いを定め、左手に持ったライターを点火し、

その炎に向けてパーツクリーナーを噴射しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ボンッ!!」

 

 

爆発しました。強力すぎです。

ちょっとビックリしました。こんなん火炎放射やない、爆発やと。

眉毛がなくなったかと思いましたが、気を取り直して結果の確認です。

いい具合にきれいなまま息の根がとまっています。いや汚いのですけど。

新聞紙でそーっと取り除いてポイしました。

でもこの方法は二度と使えません。

今回はたまたま流し台の中だったので、まわりに燃えやすいものがなく、

大事には至りませんでしたが、

下手をすると火傷したり、火事になって店がなくなってしまう可能性が大です。

う~む困った。

(後日、別の個体ですが、パーツクリーナーの噴射だけで

確実に息の根を止めることができることを確認しました~。

これで安心して過ごせそうです。ありがとうございました~。)